社会人で勉強をし始めると、学生時代に勉強したことをイメージしながら勉強されるかもしれませんが、学生と社会人では勉強する環境が大きく違うということを念頭において進めていかなければなりません。
「そんなの当たり前でしょ」と思われるかもしれませんが、実際に勉強を始めると、学生時代の延長線上でやってしまうことが少なくありません。
この記事では、社会人が勉強をする上で気をつけること、最初に何から始めるのが効率的なのかについて説明していきます。
Contents
社会人と学生の違いは?
社会人と学生で大きく異なるのは、以下の4つです。
1.勉強にあてられる時間が短い
2.仕事で疲れている中で勉強していかないといけない
3.基本的には独学で進めなければならない。
4.自分でペース配分をしなければならない。
この違いを知った上で、勉強の戦略を練っていく必要があります。
それぞれについて説明をしていきます。
勉強にあてられる時間が短い
平日のほとんどの時間を仕事にとられてしまいますので、勉強にあてられる時間が短くなってしまいます。
学生時代は勉強するのが本文ですから、まず勉強の時間が確保された後に、クラブ活動や遊びがあったのとは反対ですよね。
仕事が生活の中心であり、それ以外の時間で勉強をすることになります。ここで大切になるマインドセットは、いかに勉強時間を作り出すか、ということです。
朝早起きをして出勤前の時間、通勤時間、昼休みの時間、残業を短めにして帰宅後の時間、休日はほとんどを勉強時間にする
など時間の作り方の工夫は、あなたの仕事の状況、プライベートの状況によりますので、一概には言えませんが、時間を確保する、ということが絶対的に必要なことです。
勉強を始める前に、その試験のためにトータルで必要な時間はどれくらいかを見積もり、そのためにどうやって時間を捻出するかを考える。まずはこの行動が重要です。
TOEICを例にとって説明します。平均的に100点アップするのに200~300時間といわれています。現状の点数との差から、どれくらいの時間が必要か、それを1日換算すると何時間になるかを見積もりましょう。
例えば、現在TOEICが600点であるとしましょう。6ヶ月後の試験で800点を狙うとします。200点をアップさせるために、500時間必要と見積もったとします。
すると、500時間を180日(6ヶ月)で割った2.7時間が1日あたりの勉強量として算出されます。約2時間45分です。
基本的に1週間単位で考えれば良いですので、以下のようにスケジュールを立てるとします。
月:1時間30分
火:1時間30分
水:2時間
木:1時間30分
金:1時間30分
土:6時間
日:5時間
次に、この時間を1日のどこで捻出できるかを考えます。平日は朝30分早く起きて、出勤前に30分、お昼休みの雑談時間を勉強にあてて30分、帰宅後に30分。といった具合です。
このようにして、具体的に1日のどのタイミングで勉強するかまで落とし込めれば、この計画を実行できる可能性は高くなってきます。
いきなり、がむしゃらに始めるのではなく、このようなタイムスケジュールを立ててから勉強を開始していきましょう。
仕事で疲れている中で勉強していかないといけない
次も仕事が中心の生活であるがゆえに、直面してしまう課題ですが、疲労が残っている中で勉強をしなければなりません。
学生時代はまず学校に行ったら勉強ができましたが、社会人はいわば仕事でエネルギーを使った搾りかすのエネルギーで勉強をしなければなりません。
ですから、健康管理、モチベーション管理は特に気を使わなければならない項目になります。疲労、ストレスは集中力、記憶力を落としてしまいますので、疲労をうまく抜いてあげる必要があります。
食事、運動、睡眠、職場での人間関係など様々な要因が関連してきますが、この記事では、習慣化について触れておきます。
仕事から帰ってきてから、疲れが全くない状態で勉強をするというのはほぼ不可能ですよね。そうであれば、勉強をするハードルを下げるということが重要です。
疲れている中で、「嫌な嫌な勉強をしないといけない」と心の中で思っているならば、1日、2日は頑張れたとしても、「今日は休もう」という日が訪れ、休む日が1日、2日と続いてしまいます。そうなると、いつの間にか、初心はどこかへとんでしまい、「こんな大変な思いをしなくてもなんとかなるでしょ」という悪魔のささやきが聞こえてきてしまいます。
疲れていたとしても、「今日はここまで頑張ろう」と思えるマインドセットがあると、気持ちを切り替えて30分なら30分集中することが可能です。
勉強のハードルを落とす工夫はいくつかあります。
例えば、「机の上にその日にやる参考書を出しておいてすぐ取り掛かれるようにする。」「今日やることを明確にしておく。」などです。
勉強しようとしてから、「参考書どこに置いたかな?」と探し始めたり、「今日は何をやるんだったかな?」とやることを考え出すのは、ハードルを上げる原因になってしまいます。
そして勉強のハードルを下げるのに大きく効果があるのは「習慣化」です。この時間は勉強の時間と体に覚えさせるということです。習慣化すると、その時間になると自然と勉強モードになり、脳が勉強の準備をしてくれます。
サラリーマンの方なら、朝眠くて、疲れていたとしても、背広を着て、会社に向かうと仕事のスイッチが入る経験をされている方は多いと思います。これも毎日同じ時間、同じ行動をすることで習慣化されていることからくるものです。
これを普段の勉強に使うということです。
習慣化するためには、この時間は勉強の時間と体に覚えさせる必要がありますので、極力同じ時間に勉強をするということを続ける必要があります。
3週間行えば、習慣化すると一般的に言われていますので、3週間頑張ってみてください。すると、今までよりも苦労なく、机に迎えるようになっていると思います。
基本的には独学で進めなければならない
学生時代は学校の先生や塾の先生が勉強をリードしてくれました。必要な情報は先生が知っていて、先生が試験までの学習プランを練って、その都度必要な授業やテストをしてくれました。
社会人で勉強する場合には基本的に先生にあたる人は存在しませんので、自分で合格までにどのような学習プランで進めていくかを考えなければなりません。
学習プランを練っていく上で、まずしなければならないのは、合格の基準を把握するということです。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、合格の基準をあまり把握せず、とにかく参考書を覚えよう、と勉強を始める方を多く見かけます。
これは目的地を知らずに旅に出るようなものですので、非常に危険です。途中で道に迷ってしまい、引き返す必要が出てきたり、あるいは気づいた時にはもう手遅れということがあります。
例えばTOEICを例に出しますと、有名なヒロ前田先生のブログ記事「第146回TOEIC公開テストのスコア」によりますと、800点は80~85%くらいの正答率が必要です。あまりTOEICの試験を知らない場合、この80~85%の目安が曖昧ですので、他の基準を紹介します。
リスニング400点、リーディング400点と考えます。
リスニング400点のレベルは、おおよそ英語をそのまま英語で理解することができるレベルと言われています。英語を日本語に直してから理解するレベルだと、問題のスピードに追いつけない状況になります。ビジネスの現場では、ネイティブの話す英語がゆっくりであれば聞き取り、理解することができるレベルです。
リーディング400点のレベルは、英文を読むのに必要な基礎が習得できているレベルです。英文法や英文読解の基礎になります。高校レベルまでの英文法はきっちりと押さえられているレベルですね。ビジネスの現場では、英語資料を理解することができるレベルです。インターネットでも情報収集ができるレベルです。
リスニング、リーディングで必要とされるレベルのイメージを持ってもらえれば良いと思います。
このゴールイメージをまず最初にもった上で、計画を立てていくことになります。
計画を立てる際には、実際に資格を合格、あるいはTOEICの目標を達成している人のアドバイスを聞くのがとても有益です。インターネットで情報収集は可能ですので、ぜひ計画を立てる参考にしてください。
しかしながら、時間がない社会人が自分で合格までのプランを練って、その計画に従って勉強をしていくというのは非常に大変です。プラン自体が間違っていると一生懸命勉強をしても効果が薄く、成果があがらなということもよくあります。
何より、勉強しながら、この方法で良いのだろうか?と不安に思ってしまうのも、学習効果を下げる要因になります。
私がおすすめしているのは、ある程度身銭を切ったとしても、有料教材を取得するという方法です。
歴史があり、多くの実績を出している有料教材であれば間違いの可能性は非常に低いので、数万円であれば、自己投資と割り切って投資をすることをおすすめします。これにより、多くの時間を勉強に集中することが可能になります。時間をお金で買う、ということです。
TOEICであれば、以下の教材が口コミもよく実績が多く上がっていますので参考にご覧になってください。
自分でペース配分をしなければならない
こちらの内容も3番と似ていますが、学生時代であれば、先生が試験までの時間配分を考えて進めてくれていましたが、社会人になると、自分でペース配分を考えて、計画的に勉強を進めていく必要があります。
現在が遅れているのか、余裕がある状態なのかを把握しながら進める必要があります。過去問を解くことで、合格に必要とされる点数に対して、自分がどの地点にいるかを把握できますので、ペース配分を考える上では過去問がおすすめです。
ペース配分に関しても、3番と同様に、自分でやっているのではどうしても不安が生じてしまい、勉強に集中できなくなってしまう傾向があります。
勉強する際に、「自分が行っている勉強で良いのだろうか?」という悩みは非常に勉強効率を下げてしまいます。
そういった意味でもうまく有料教材を活用して、あとは教材を頑張って進めるだけ、という状態にしておくと、大船に乗った気持ちで勉強が進められますので、成功する確率は高くなってきます。
まとめ
最後にまとめますと、学生と社会人では勉強する環境が大きく違うということを念頭において勉強を進める必要があります。
具体的には、
1.勉強にあてられる時間が短い
2.仕事で疲れている中で勉強していかないといけない
3.基本的には独学で進めなければならない。
4.自分でペース配分をしなければならない。
などが違いとしてあげられます。
これらの対策として、
1.勉強を始める前に、その試験のためにトータルで必要な時間はどれくらいかを見積もり、そのためにどうやって時間を捻出するかを考える。
2.同じ時間に勉強を繰り返していくことで、勉強を習慣化して勉強のハードルを下げる。
3.実績があり評判がよい有料教材を利用して、効率的な学習を進めていく。
をあげました。
勉強をする際には、ぜひこられのことに気をつけながら進めてみてください。