2018年2月18日更新
デビューから怒涛の29連勝を記録し、30年ぶりの新記録を達成した藤井聡太さん(15)。2018年2月17日には、第11回朝日杯オープンで羽生善治竜王(47)を熱戦の末に撃破し、続く決勝でも広瀬章人八段(31)に勝利しました。この勝利で、藤井は中学生初の六段に上がりました。加藤九段の16歳3カ月を抜き、最年少記録となりました。
羽生三冠が「驚嘆の一言」と言うほどの記録を打ち立てたことだけもあり、藤井六段はどのような教育を受けてきたのか、注目が集まっています。
3歳ごろによく遊んでいたキュボロという玩具にいたっては注文が殺到し、半年以上の入荷待ちになるという事態も起こったということです。すごい影響力ですね。
脳科学者の茂木健一郎さんは、藤井六段について、加藤一二三・九段、羽生善治3冠と並ぶ頭脳を持つ、「ニュータイプの天才」と称しています。早くも天才と称させる藤井六段はどのような教育を受けてきたのか、気になるところですよね。藤井六段の受けてきた教育とそこから考えられるより良い勉強法についてご紹介していきます。
藤井六段の学力は?
まず気になるのは、藤井六段の学力です。将棋は羽生三冠をして「驚嘆の一言」と言わしめる実力の持ち主ですので、言うまでもありませんが、学力はいかほどでしょうか?
なんと、藤井六段は幼稚園で四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)ができたそうです。現在、割り算は小学校3年で習いますので、驚くべき早さです。
そして、現在、中学生の藤井六段の得意科目は算数と体育。やはり、幼稚園で四則演算をマスターして以来、算数は得意科目となっているんですね。一部では、計算で鍛えられた情報処理能力の上に、将棋の実力をつけていったと言われています。駒の動きを筋道立てて、論理的に考えていくというところにつながっているのかもしれませんね。
藤井六段が現在通っている中学は、名古屋大学教育学部附属中学校です。偏差値は66と高いです。人並みはずれた集中力は勉強にもいかんなく発揮されているようです。
藤井六段の情報収集の特徴
「ニュータイプの天才」と言われる藤井六段。インターネットで過去の大局情報を収集することが習慣になっているそうです。家では、ソファーに座って、スマホで情報収集をされているということ。情報収集というより、趣味の感覚なのかもしれませんね。
藤井六段の集中力はどこで養われたのか?
人並みはずれた集中力によって、学力も高い藤井六段。特に算数では、幼稚園で四則演算ができたという天才ぶり。その集中力はどこから生まれたのか?藤井六段が幼稚園で受
けていた教育にヒントがありそうです。
藤井六段は幼稚園時代に、モンテッソリー教育を受けていました。
モンテッソーリ教育とは、20世紀初頭にマリア・モンテッソーリによって考案された教育法のことです。(右写真)
このモンテッソーリ教育の考え方は、次の通り。
「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」
成長の主体は子供にあり、親や教師は子供を援助する存在に徹するという考え方ですね。
一般的には、親や教師が主体になって、教育のプログラムを考え、指導していくということになると思います。その真逆の考え方ということです。
ただ、放ったらかしにして良いわけではなく、年齢にあった良い環境を整備するということが重要なようです。良い遊びに興味を持たせるようにしてあげて、自分でやって覚えていくのを助けてあげるというスタンスです。
モンテッソーリ教育は世界的に広がっている教育法で、著名人は次の方がいます。
* アンネ・フランク (「アンネの日記」著者)
* キャサリン・グレアム (ワシントン・ポスト経営者、ジャーナリスト)
* ジェフ・ベゾス (Amazon.com創立者)
* サーゲイ・ブリン (Google創立者)
* ラリー・ペイジ (Google創立者)
* ジミー・ウェールズ (ウィキペディア創設者)
* ウィル・ライト (シムシティ開発者)
* ピーター・ドラッカー (社会学者)
* ジョージ・クルーニー (映画俳優、監督)
* ケンブリッジ公ウィリアム王子 (イギリス王室成員)
* ヘンリー王子 (イギリス王室成員)
* 藤井聡太 (将棋棋士)
そうそうたる顔ぶれです。
モンテッソーリ教育が重要視していることの1つが「集中」です。
子供が遊びに集中できる環境を作ってあげるということですね。
幼稚園時代に養われた集中力が将棋や算数でも花開いていったのかもしれません。
集中力がキーワード
藤井六段の受けてきた教育を見てきました。「集中力」がキーワードとして上がってきますね。
藤井六段が集中して何かをするときには、親御さんも邪魔をしないようにされているそうです。本人が集中してやることを大切にしてあげる、その環境を作ってあげるということが今の藤井六段を作っていることは間違いなさそうです。
勉強においても、「集中力」が重要なことは言うまでもありません。そしてこの「集中力」を発揮できるように、どのように環境を整えていくかを考えることが、勉強の成否を左右してきます。
人によって集中できる環境は様々です。
BGMがあった方が集中できる方、静かな方が集中できる方
少し散らかっている方が集中できる方、何もない方が集中できる方
・・・
いずれにしても、自分が集中しやすい環境を探しながら、環境を整備していくという考え方が勉強の効率を大きく左右してきます。
集中力を高めるための鉄板ルール
集中力を高めるための鉄板ルールがあります。それは余計なものは捨てるということ。何か1つのことに集中しようとするときに、他の考えがうかんで集中できないことがよくあります。
例えば、「明日仕事で重要なプレゼンが控えていると、そのことが頭から離れなくて勉強に集中できない。」などがあります。
勉強すると決めた時間は、明日のプレゼンのことはすっきり忘れて、ひたすら集中する思考回路を作ることです。明日のプレゼンに対する不安を捨てるという作業をすることが必要になります。
いわゆる「切り替え」ですね。
勉強を効率よく進められる人は、この切り替えの能力が高い人が多いです。
勉強する際には、目の前の勉強に集中して他のことはシャットアウトする、という頭の使い方が習慣化すれば、勉強の効率は大幅にアップしていきます。
まとめ
今回は、藤井六段の受けてきた教育とそこから考えられるより良い勉強法について紹介してきました。
藤井六段には、類まれな「集中力」が幼稚園時代から育まれており、その集中力によって、将棋の世界でも勉強でも大きな成果が生まれているようです。
ぜひ「集中力」ということを念頭において、勉強を進めていってみてください。