就活や入社後の昇進・昇格試験でよく出くわすグループディスカッション。
ディスカッションに対する参加の仕方で、その人の考え方やコミュニケーション能力、仕事への関わり方が見えてきますので、選ぶ側からすると、短時間で、多くの要素について評価できる有効な試験なんでしょう。
グループディスカッションで難しいのは、お題が直前まで分からないのと、グループのメンバーによって大分ディスカッションの進め方が変わるので、あまり事前に準備ができないということではないでしょうか。
わたしも今まで多くのグループディスカッションを受け、いろいろ対策本を読んだり、実践を踏んで試行錯誤をしてきました。
そんな中で、これは普遍的に使えると考えている対策法の一つ、ロジックツリーを使ったグループディスカッション対策法について紹介していきます。
Contents
グループディスカッションでは何を見られているのか?
どんな試験でもそうですが、試験に成功するためには、試験をする側、つまり、選ぶ側が何を見ているかをよくよく考える必要があります。
グループディスカッションで一番大きな項目の一つは、
貢献度
です。
グループで出した結論に対して、どれだけ貢献できたのかを見ています。
これは、ファシリテータ役、サポート役、ご意見番役など、どの役割をであっても同様です。
ファシリテーターをやって、うまく全体の意見を引き出しながら、意見を統合し、一つにまとめて、結論を導いたのなら、高く評価を受けます。
しかし、ファシリテーターにもかかわらず、自分の意見に固執し、全体の意見を吸い上げきれず、偏ったまとめ方になったならば、低い評価に終わってしまいます。
このように、役割によらず、貢献度が着目されるということを肝に銘じておく必要があるのです。
高い貢献度を発揮するために必要なこと
実際にディスカッションが始まってみないと、どんな役割になるかわからないことが多くあります。
ですから、ファシリテーターが得意でも、ファシリテーターやりたい人がたくさんいたら、自分はファシリテーターではなく、サポート役をやらないといけないという状況もありえます。
ですので、グループディスカッションの対策として一つの役割だけを練習するというのは得策とは言えません。
では、どんな役割になったとしても、高い貢献度を発揮するためにはどうしたらよいのでしょうか?
それは、
議論の展開を頭の中で整理し、
全体に共有し、
更に展開を促す
という役割を果たすことです。
議論の整理と共有の役割が強いのがファシリテーターであるのに対し、
サポート役はどちらかというと、整理もしますが、展開を促す役割が求められます。
ご意見番の役割も展開を促す意見だしが求められる役割になりますよね。
このようにいずれの役割であったとしても、上記の要素は必要ということになります。
反対に、議論の展開が整理できていないと、せっかく意見を言ったとしても、
全体の総意を崩す意見を言ってしまうと大きな減点対象になります。
そして、そもそも議論に入れず、ほとんど発言できずに終わってしまうということも。
これは最悪の状況になります。
ですからグループディスカッションで肝に銘ずべき最初のステップは、
議論の展開を整理し、理解する
ということになります。
議論の展開を整理するために役立つツールがロジックツリー
そして、本題になります。
この議論の展開を整理するのに役立つツールがロジックツリーというわけです。
ロジックツリーとは、問題の原因解明や、解決策立案のために、問題を論理的に関連した要素ごとにツリー上にMECEに(モレなくダブりなく)分解していく方法です。
例えば、ある会社の業績や市場動向などが説明された上で、
「利益を向上させるために何をすればよいか考えて提案してください。」
というお題だったとします。
ロジックツリーを使って考えていくと、利益を上げるためには、「売上を伸ばす」か「費用を削減する」のどちらかだな、と考えるとします。
そして、それぞれに対して、一段階層を落として、具体的な施策を考えていきます。
売上を伸ばすんだったら、新規顧客を開拓する、あるいは、既存顧客のリピート率を上げる、があるなと考えます。
このように、議論の展開を整理し、ヌケモレがないかをチェックできるのがロジックツリーなんです。
例えば、売上を伸ばすの項目には、客単価を上げるという施策もあるなと、眺めていると浮かんだりします。
グループディスカッションで、もし客単価を上げる方向の議論が出ていなければ、この話題を出すことで、大きな貢献ができるようになります。
グループディスカッションの際には、メモ書きをして議論の流れを可視化していくことに心がけてみましょう。
ちらちらメモ書きを眺めることで、次の展開に対する主張ができたり、議論を整理する発言ができるようになるはずです。
ロジックツリーを使う際に気をつけてほしいこと
一つ、ロジックツリーを使う際に気をつけてほしいことがあります。
それは、視線を下に落としすぎないということ。
ロジックツリーを書くことに集中してしまうと、視線が下に落ちてしまいがち。
そして、だんだんと自分の世界に入ってしまうことになります。
これは、あまり議論に参加していないという減点対象になりますし、議論にも入って行きにくくなってしまいます。
ロジックツリーを書く際には、キーワードをさらっとメモするくらいにとどめ、あまり視線は下に落とさないように気をつけましょう。
まとめ
今回は、グループディスカッションの対策として「ロジックツリー」を使う方法を紹介しました。いきなり本題でやろうとしていても、ロジックツリーに慣れていなければなかなかうまくいかないと思います。
普段から、ロジックツリーを使って考える習慣をつけておくことをおすすめします。
Xmindというマインドマップツールを使うと、非常に簡単にロジックツリーを作ることができます。無料ツールですので、ロジックツリーの使いこなしをマスターしたい方はぜひ使用してみてください。